道は困難

飛行機に乗るために列に並んでいたら、「そのネクタイをしてるってことはお前UCLAの学生か?」
隣のおっさんが聞いてきた。でもよく分からなかったので何となくYesと答えた。それからがめんどくさかった。質問にYesと答えたために俺はUCLAの学生ということになりいまさら否定するのもめんどくさいのでそのままにしておいた。しかしおっさんもUCLAの卒業生ということでマジでめんどくさい思い出話に花が咲いた。一方的に。あの寮はどうだ?とか聞かれたから
「ああ、あれは去年取り壊されたよ」といってその場をしのいだ。
そしてその後
「どこから来たんだ?日本?アメリカと日本はお互いに協力し合ってここまでの成功を成し遂げたんだよ。分かるか?でもな、でもやっぱりあの戦争はいただけないね。ミッドウェー海戦を知っているか?あれは卑怯だぜ。そもそも・・・」
何でいきなりアメリカ日本関係論を一方的に聞かされなきゃいけないんだ。不愉快だったし何より距離がめっちゃ近い。2センチか3センチの至近距離でおっさんの情熱的な演説を聞かされた。
さらに、ボディータッチが異常に多い
俺は気付いた。この人男が好きなんだ。
さらに激しさを増すボディータッチを交わすために俺は携帯のアラームを1分後にセットした。そしておもむろにアラームが鳴り出した電話を取り、
「What's up?」
という一人芝居を繰り広げ、ごくナチュラルにおっさんから離れることに成功した。あー、めんどくさかった。