心理学

yusuke12006-02-23

の授業でのこと。
「ユウについて何が言えるか?彼は私よりもアジア人っぽいって言う事くらいしか彼をぱっと見て言えることはありませんね。」
最前列に座っている俺を教授がちょっといじった。
以前の、留学初期の俺ならそれだけで差別だ、と感じたかもしれない。よいか悪いかは別にして自意識過剰に過ぎた。
でも今日は別になんとも思わなかった。別に教授に悪意があるわけではないということはよく分かっているしそんなにアジア人に対する差別があるわけではないということも分かっているからだ。
むしろ最近は自分の「特殊性」を楽しんでさえいる。欧米で生まれたアジア人の場合はもっと違うだろう。完全に欧米の文化の中で育っているのに、外見がみなと違う。それは俺みたいに一年間だけ留学してすぐ帰るようなやつの経験とは根本的に異なる。
でも俺に関して言えば周りと違うことが最近はマイナスなだけではなくなってきた。
日本人として日本で育って現在ここにいられるということがとてつもなく刺激的なことだということを最近改めて認識するようになった。
駅前留学や、週一回アメリカ人と会話レッスンをするだけでは異文化コミュニケーションなんてできない。ぽんと違う文化の中に放り出されて初めてできるものだ。留学はまさにそのためにあると思う。
日本人でよかったと思う。それは日本人という人種や日本という国が客観的に見て他より勝っているという意味では決して無い。人間は誰でも自分の過去や決断を正当化しなければ生きていけない。
俺は横浜出身だから横浜が何となく好きだ。でもその好きの中に自分を納得させるための説得みたいなものが無いとは言い切れない。出身地は変えられないから。
「大学では全然勉強しなかったな。」という人がそれをありのまま言うことはあまり無い。「遊んでばっかだったけど勉強だけじゃ得られないものが・・・」よく聞く話だ。
「これといった才能も無く普通の人生だったけど楽しかった。」本音にかかわらずそういうしか、そう考えるしかない。
自分の人生を否定するのは残酷でなかなかできないものだ。
それを否定するわけでは決して無い。むしろその方が人間らしい。